HP I/O バンクでサポートされる I/O 規格のサブセットについては、プロセスのばらつき (最大 ±35mV) が原因で発生する入力バッファーに内在のオフセットをキャンセルする機能が UltraScale アーキテクチャによって提供されます。 この機能は、 この図 ~ この図 に示す IBUFE3、IBUFDSE3、IOBUFE3、および IOBUFDSE3 プリミティブを使用して利用できます。 オフセット キャリブレーションには、インターコネクト ロジック デザインに制御ロジックを構築することが求められます。
1. オフセット キャンセレーション機能は、サポートされる I/O 規格に対して次の場合にアクティブにできます。
a. オフセット制御の属性 OFFSET_CNTRL が FABRIC に設定されている。
b. OSC_EN ポートが 1'b1 (シングルエンド I/O 規格) または 2'b11 (差動 I/O 規格) に設定されている。
重要: 差動 I/O 規格に OSC_EN を使用している場合、 2'b10 または 2'b01 は無効な値となります。
2. オフセット キャンセレーション機能がアクティブになると、バッファーへの入力が V REF (差動 I/O、両方の信号が V REF にプルアップされる) にプルアップされます。バッファーに内在するオフセットに基づいて、出力 (O) はロジック 1 またはロジック 0 のいずれかになります。ロジック 1 は正のオフセットを示します。ロジック 0 は負のオフセットを示します。シミュレーションでは、このハードウェア動作は、シミュレーション専用の属性 (SIM_INPUT_BUFFER_OFFSET) を負または正の値 (–50mV ~ +50mV) に設定することで再現できます。このシミュレーション専用の属性は IBUFE3、IBUFDSE3、IOBUFE3、および IOBUFDSE3 プリミティブでサポートされます。
3. O の値に基づいて、FABRIC キャリブレーション ロジックは、O がフリップしたと見なされるまで OSC[3:0] を正方向または負方向にスイープします。O がフリップする値は、バッファーに内在するオフセットをキャンセルするのに必要なオフセット値です。 表: 各 OSC 設定のオフセット キャンセレーションの近似値 に、各 OSC 設定で提供されるオフセット キャンセレーションの近似値を示します。
たとえば、バッファーの入力オフセットが 15mV の場合、オフセットをキャンセルするには OSC[3:0] = 1011 と設定します。入力オフセットが -10mV の場合は OSC[3:0] = 0010 と設定します。
4. 最大オフセット (–35mV または 35mV) においても O がフリップしない場合、全体をとおして O が継続してロジック 1 状態のときは OSC を最大 –35mV ( 0111 ) に設定し、継続してロジック 0 状態のときは OSC を +35mV ( 1111 ) に設定し、手順 5 に進みます。
5. 必要なオフセットが決定したら、OSC_EN を 1'b0 (シングルエンド I/O 規格) または 2'b00 (差動 I/O 規格) に設定してオフにし、通常動作を再開できるようにします。
推奨: オフセット キャリブレーションは、外部バイアスまたは終端を用いる入力で実行しないようにしてください。
重要: OSC[3:0] は、上半分または下半分のバンク内にあるすべての I/O (バンクの上半分または下半分にある 26 の連続する I/O) で共有されるバスです。
表: レシーバー オフセット制御をサポートする I/O 規格 に、レシーバー オフセット制御をサポートする I/O 規格を示します。