AMD は、BGA パッケージ用に SnAgCu はんだボールを使用します。さらに、鉛フリーのはんだ付けプロセスで必要とされる高いリフロー温度 (最大 250°C、ドライ リワークのみの場合は 260°C) に適したパッケージ材質を使用します。
AMD では、Sn/Pb はんだ付けプロセスを使用する SnPb はんだペーストによる SnAgCu BGA パッケージ接合をサポートしていません。この温度範囲では、SnAgCu BGA はんだボールが適切に溶解されず、はんだ付け表面のぬれ性が十分ではありません。その結果、信頼性やアセンブリのイールドが低下します。
最適なリフロー温度プロファイルは、使用するはんだペースト/フラックス、ボード サイズ、ボード上のコンポーネント密度、大型コンポーネントと小型軽量コンポーネントの混在などを考慮して作成する必要があります。新しいボード デザインの温度プロファイルは、コンポーネント上の複数箇所で熱電対を使用して作成します。また、ボード上にデバイスが混在している場合は、ボード上の複数の位置で温度プロファイルをチェックする必要があります。最小リフロー温度が大規模なコンポーネントをリフローできる温度に達していると同時に、高熱に対応していない小さなコンポーネントを損傷する可能性がある温度しきい値を超えないように注意が必要です。
表: パッケージ サイズが 45mm x 45mm 以下の場合の鉛フリーのはんだ付けガイドライン
と
この図
に、パッケージ サイズが 45mm x 45mm 以下の場合の鉛フリーのはんだリフローのガイドラインを示します。
表: パッケージ サイズが 45mm x 45mm より大きく 55mm x 55mm 以下の場合の鉛フリーのはんだ付け ガイドライン
に、パッケージ サイズが 45mm x 45mm より大きく 55mm x 55mm 以下の場合のガイドラインを示します。
表: パッケージ サイズが 55mm x 55mm より大きい場合の鉛フリーのはんだ付けガイドライン
に、パッケージ サイズが 55mm x 55mm より大きい場合のガイドラインを示します。一般に、鉛フリーのはんだ使用時の最適なリフロー プロファイルは、なだらかで直線的な傾斜となります (
この図
)。このプロファイルは、従来の Sn/Pb システムの RSS (Ramp-Soak-Spike) プロファイルよりもぬれ性が向上し、熱ショックも軽減されます。SnAgCu 合金は、235°C で完全に液化します。プロファイルの際には、温度が最低であると考えられるはんだ接合部の位置を特定し、これらの位置において、235°C の最低ピーク温度が最低 10 秒間維持されていることを確認してください。260℃ またはそれ以上に高い温度でリフローすることは、熱に対して敏感なコンポーネントに損傷を与え、ボードに反りを起こす可能性があります。コンポーネント本体で許容可能なピーク温度については、最新の IPC/JEDEC J-STD-020 規格を参照してください。この温度は、コンポーネントのサイズによって決定されます。
各パッケージのピーク リフロー温度については、
表: AMD のパッケージにおける本体の最大リフロー温度 (J-STD-020 規格に準拠)
を参照してください。どのような場合でも、ピーク温度が最低となっているリフロー プロファイルを使用します。
リフロー プロファイル |
対流型、IR/対流型 |
---|---|
予熱時の温度上昇率 30 ~ 150°C |
2℃/秒 (最大) 1°C/秒 (最大) (スティフナー リング付きリッドレス パッケージ) |
予熱温度ソーク時間 150 ~ 200°C |
60 ~ 120 秒 |
217℃ 以上に維持する時間 |
60 ~ 150 秒 (標準は 60 ~ 90 秒) |
ピーク温度から 5℃ 以内の時間 |
30 秒 (最大) |
ピーク温度 (リード/ボール) |
230 ~ 245℃ (標準) (はんだペースト、ボード サイズ、コンポーネントの組み合わせに依存) |
最大ピーク温度 (本体) |
240 ~ 250℃、パッケージの本体サイズに依存 ( 「UltraScale デバイス データシート」 の各デバイスのデータシートを参照) |
温度下降率 |
2℃/秒 (最大) |
25°C からピーク温度までの時間 |
3.5 分 (最短)、5.0 分 (標準)、8 分 (最長) |
リフロー プロファイル |
対流型、IR/対流型 |
---|---|
予熱時の温度上昇率 30 ~ 150°C |
0.5°C/秒~ 1.5°C/秒 |
予熱温度ソーク時間 150 ~ 190°C |
65 ~ 70 秒 |
217℃ 以上に維持する時間 |
50 ~ 60 秒 |
最大ピーク温度 (本体) |
234 ~ 238°C ( 「UltraScale デバイス データシート」 の各デバイスのデータシートを参照) |
温度下降率 240 ~ 125°C |
1°C/秒~ 2°C/秒 |
リフロー プロファイル |
対流型、IR/対流型 |
---|---|
予熱時の温度上昇率 30 ~ 150°C |
0.5°C/秒~ 1.5°C/秒 |
予熱温度ソーク時間 150 ~ 190°C |
76 ~ 81 秒 |
217℃ 以上に維持する時間 |
77 ~ 93 秒 |
最大ピーク温度 (本体) |
231 ~ 240°C ( 「UltraScale デバイス データシート」 の各デバイスのデータシートを参照) |
温度下降率 240 ~ 185°C |
0.7°C/秒~ 0.8°C/秒 |
温度下降率 185 ~ 125°C |
1.6°C/秒~ 1.75°C/秒 |
パッケージ |
製品カテゴリ |
パッケージのリフロー
|
JEDEC 耐湿レベル (MSL) |
---|---|---|---|
FBVA676 FFVA676、FFVB676 SBVB484 、SBVC484 SFVA784、SFVB784 |
XC |
マス リフロー: 250°C ドライ リワーク: 260°C |
4 |
UBVA368 FBVA900 FFVD900、FFVE900 FFVA1156 FFVA1517、FLVA1517、FFVC1517、FFVD1517、FLVD1517、FFVE1517 FFVA1760、FFVB1760、FLVB1760、FFVE1760、 FFVJ1760 FLVD1924、FLVF1924、FLGF1924 FFVA2104、FLVA2104、FLGA2104、FHGA2104 FFVB2104、FLVB2104、FLGB2104、FHGB2104 FFVC2104、FLVC2104、FLGC2104、FHGC2104 FLGB2377 FLGA2577 FLGA2892 |
すべて |
マス リフロー: 245°C ドライ リワーク: 260°C |
4 |
VSVA1365 FSVJ1760 FSVH1924 FSGD2104、FIGD2104、FSVH2104 FSGA2577 FSVH2892、 FSVK2892 FSVA3824 、 FSVB3824 |
すべて |
マス リフロー: 240°C ドライ リワーク: 260°C |
4 |
RBA676、RFA1156、RLD1517、RLF1924 FFRB676、SFRB784 FFRA1156、FFRC1517、FFRE1517 FLRA2104、FLRB2104、FLRC2104 |
XQ (2) |
マス リフロー: 225°C ドライ リワーク: 235°C |
4 |
注記: 1. 最新の仕様は、 「UltraScale デバイス データシート」 の各デバイスのデータシートを参照してください。 2. パッケージ名に鉛フリーを示す記号が付いているデバイス (V ではなく Q が記載されている) には、XQ 製品カテゴリに記載されている温度と MSL を使用してください。 |
大小のコンポーネントが混在した高機能なボードの場合、ボードの温度偏差、 Δ T を最小 (10°C 未満) に維持し、ボードに反りが起こらないようにして、高いアセンブリ イールドを達成することが非常に重要です。 Δ T を最小にするには、予熱の段階で温度の上昇率を低くします。
また、コンポーネントの表面と底面の温度偏差を最小にする必要があります。これは、特に冷却段階で重要になります。パッケージの表面とはんだ接合部分の温度差が最小となるように冷却することが重要です。リフロー プロセスの冷却段階ではコンポーネントの表面とはんだボールの温度差を 7℃ 未満に維持します。この段階は、ボールがまだ完全にはボードに接着されていない非常に重要な段階で、通常、このときの温度は 200℃ ~ 217℃ の範囲になります。冷却部分をいくつかに分割し、それぞれを異なる温度で効果的に冷却することで、温度差による問題を解決できます。
最適なリフロー温度プロファイルは、使用するはんだペースト/フラックス、ボード サイズ、ボード上のコンポーネント密度、大型コンポーネントと小型軽量コンポーネントの混在などを考慮して作成する必要があります。新しいボード デザインの温度プロファイルは、コンポーネント上の複数箇所で熱電対を使用して作成します。また、ボード上にデバイスが混在している場合は、 この図 および この図 (熱電対の写真) に示すように、ボード上の複数の位置で温度プロファイルをチェックする必要があります。最小リフロー温度が大規模なコンポーネントをリフローできる温度に達していると同時に、高熱に対応していない小さなコンポーネントを損傷する可能性がある温度しきい値を超えないように注意が必要です。