ヒートシンクの取り付け方法の種類

UltraScale および UltraScale+ FPGA パッケージおよびピン配置ユーザー ガイド (UG575)

Document ID
UG575
Release Date
2023-05-10
Revision
1.19 日本語

ヒートシンクの取り付け方法は 6 種類あります。 表: ヒートシンクの取り付け方法 に、それぞれの長所/短所を示します。

熱伝導性テープ

熱伝導性の接着剤

Z 形状のワイヤ クリップ

プラスチック クリップ

ねじ式スタンドオフ (PEM) と圧縮バネ

押しピンと圧縮バネ

表 12-1: ヒートシンクの取り付け方法

取り付け方法

長所

短所

熱伝導性テープ

一般的に取り付けが簡単で安価。

アルミニウム ヒートシンクの取り付けには最も低コストな方法。

PCB 上で追加スペースを確保する必要がない。

テープがしっかりと接着するように、ヒートシンクとチップの表面をきれいに掃除する必要がある。

接触面積が小さいため、接着力が弱い可能性がある。

テープの熱伝導性は中~低程度のため、ヒートシンクの性能が十分に発揮されないことがある。

熱伝導性の接着剤

優れた機械的接着。

テープよりは高価だが比較的安価。

PCB 上で追加スペースを確保する必要がない。

接着手順が難しく、使用する接着剤の量の調節が困難。

リワークが困難。

接触面積が小さいため、接着力が弱い可能性がある。

Z 形状のワイヤ
クリップ

強力で安定した機械的取り付けが可能。衝撃や振動テストを実行する必要がある環境では、この強力な取り付け方法が必要。

取り付けと取り外しが簡単。半導体を破損することがない (エポキシ樹脂やテープはデバイスを破損させる可能性がある)。

TIM にプリロードが印加される。実際、このプリロードによって、熱伝導能力が向上する。

PCB 上に固定器具用のスペースが必要。

プラスチック
クリップ

PCB 上のスペースに限りがあるデザインに最適。

PCB ボードを傷つけることなくヒートシンクを取り外しできるため、リワークが簡単。

衝撃や振動テストに対応できる十分な固定力がある。

クリップを使用するため、シリコン デバイス周囲にスペースが必要。

局所的応力によって、はんだボールやチップ基板が損傷する可能性があるため、クリップの取り付け/取り外しには注意が必要。

ねじ式スタンドオフ (PEM) と圧縮バネ

熱源へ安定した固定ができ、PCB、バッキング プレート、またはシャーシへ荷重を伝達できる。

質量の大きいヒートシンクを固定するのに最適。

チップやはんだボール上にかかる実装時の力や荷重を厳しく管理できる。

PCB 上に穴を開ける必要があり、ラインとして使用できる貴重なスペースを使用する必要がある。

高価になる傾向がある。特に、スタンドオフを使用するために、ドリルで穴を開けるか、または PCB 上にあらかじめ穴が開いたものを調達する必要がある。

押しピンと圧縮バネ

熱源へ安定した固定ができ、PCB へ荷重を伝達できる。

チップやはんだボール上にかかる実装時の力や荷重を厳しく管理できる。

PCB 上に押しピン用のスペースが必要。