リッドレス フリップチップ パッケージ

UltraScale および UltraScale+ FPGA パッケージおよびピン配置ユーザー ガイド (UG575)

Document ID
UG575
Release Date
2023-05-10
Revision
1.19 日本語

AMD のフリップチップ BGA パッケージは熱経路全体の抵抗を低く抑えており、デバイスを適切に冷却することが可能です。これらのパッケージには熱伝導材料を使用したヒート スプレッダー リッドも組み込まれています
(
この図 )。

図 13-1: ヒート スプレッダーおよび熱伝導材料を用いたフリップチップ BGA の構造

X-Ref Target - Figure 13-1

X18047-std_heat_spreader.jpg

熱伝導率の高い材料と均一なプロセスを用いることで、ヒート スプレッダーまでの熱抵抗は低く抑えられます。
同時に、パッケージの電流リターン パスを最適化することにより、電源プレーンとグランド プレーンの配置が改良されています。これらプレーンの銅密度を高めることにより、積層基板を通じた全体的な熱伝導率が向上します。また、高密度化とパッケージにビア領域を分散させることで垂直方向の熱伝導率も向上します。

リッドレス パッケージ ( この図 ) もパッケージ基板設計は同じであり、電気伝導率およびボード熱伝導率はフリップチップ パッケージと同様です。ただし、リッド (ヒート スプレッダー) と熱伝導材料を除去しているため外部ヒートシンクとダイを直接接触させることができます。これにより熱抵抗がさらに低下し、熱挙動が改善します。2 相
(ヒート パイプ、ベイパー チャンバー、または液体) 冷却方法を使用したカスタム パッシブ/アクティブ ヒートシンク デザインをダイの発熱源近くに直接設置できるため、デバイスからより効率的に熱を除去できます。このため、さらに高い周囲温度環境や面積の制約が大きい周囲環境であっても、消費電力において利点が得られます。

図 13-2: リッドレス フリップチップ BGA の構造

X-Ref Target - Figure 13-2

X18048-lidless-construction.jpg

リッドレス パッケージの特長の 1 つとして、パッケージ強度およびパッケージ全体の共平面性 (平坦性) を高めるためにパッケージ基板の周囲にスティフナー リングが追加されています。スティフナー リングには、ヒートシンク ソリューションをデバイスに取り付ける際のガイドとしての役割もあります。例は、 この図 この図 、および この図 を参照してください。

リッドレス パッケージでは、ダイ周辺にキャパシタを配置できます。ダイ周辺のキャパシタはダイの高さよりもわずかに短いだけで、導電性の場合もあるため、導電性の材料との接触は避ける必要があります。ダイよりも高さのある熱/機構ソリューションでは、これがパッケージ スティフナーと干渉しないようにしてください。したがって、 システム レベルのヒートシンク ソリューション にもあるように、熱管理ソリューションにはアイランドと呼ばれる部分 (凸部) が必要です。

リッドレス パッケージの機構設計/熱設計ガイドラインの詳細は、 アプリケーション ノート『リッドレス フリップチップ パッケージの機械/熱設計ガイドライン』 ( XAPP1301 ) を参照してください。