システム レベルのヒートシンク ソリューション

UltraScale および UltraScale+ FPGA パッケージおよびピン配置ユーザー ガイド (UG575)

Document ID
UG575
Release Date
2023-05-10
Revision
1.19 日本語

熱管理ストラテジを全面的に遂行するには、システムの物理的制約と機械的な制約に応じて、カスタムまたは OEM のヒートシンク ソリューションを含む総合的な熱バジェットが必要です。ヒートシンク ソリューションは、システム レベルの設計者によって管理されますが、デザイン上の制約と特定のシステム制約に合わせて調整する必要があります。これには、熱を表面に伝える固有のデバイス性能を理解することが含まれます。

システムの物理的、機械的、および環境的制約を考慮に入れることで、全体的な熱バジェットは維持され、デバイスの最大動作温度を超えることはありません。安全な動作温度を維持する熱管理ソリューションにおいて、ヒートシンクは欠かすことのできない要素です。したがって、システム レベルの設計者は次の点に注意する必要があります。

リッドレス パッケージの場合、スティフナーの公称の高さはダイの高さとは異なります。したがって、ヒートシンクにアイランドを設けてダイに接触させる必要があります。

特にリッドレス パッケージの場合、アプリケーションのデバイスの放熱性能を求める際には、 θ JC パラメーター ( 表: 熱抵抗データ 参照) をそのまま使用しないでください。 これらのパラメーターは JEDEC 規格の JESD51 に基づいて計算されていますが、ほとんどのアプリケーションはこの規格のシステム パラメーターとは大きく異なります。したがって、すべての境界条件におけるデバイスの放熱性能をより正確に表現したデルファイ熱モデルを使用して、ワースト ケースの環境条件におけるシステムの熱シミュレーションを実行する必要があります。

熱接触抵抗を最小限に抑えるには、パッケージの機械的仕様およびダイと熱管理ソリューションの間に使用する TIM の選択にも注意する必要があります。

TIM の全体的な熱接触は、TIM サプライヤーのデータシートに記載のパラメーターに基づいて決定します。

510 ページ で説明するパッケージにかける圧力に関する推奨事項を参照してください。これよりも圧力が小さいと熱接触が不足する恐れがあり、圧力が大きいとデバイスを損傷する恐れがあります。したがって、圧力は厳密に制御する必要があります。

熱管理ソリューションの製造ばらつき (ファンのエアフロー誤差、ヒート パイプまたはベイパー チャンバーの性能誤差、ヒートシンク ベースへのフィン取り付け誤差、表面の平坦性など) を含むモデル化におけるあらゆる不確実性要素を考慮する必要があります。