aiesimulator
に --dump-vcd
オプションを指定すると、すべての (CLK、STREAM_SWITCH を除く) 信号が VCD ファイルに生成されます。このため、シミュレーションの速度が低下する可能性があります。代わりに、特定のモジュールに関連する信号のみをダンプするオプションを使用すると、シミュレーションの速度が向上する場合があります。デザインのデバッグでは、--dump-vcd
を使用して aiesimulator
を実行し、すべての信号をダンプすることをお勧めします。問題を絞り込んだところで、VCD 信号のサブセットのみをダンプするオプションを使用して aiesimulator
を実行します。このためには、オプション テキスト ファイルを使用して特定のオプションを aiesimulator
に渡します。信号は、テキスト ファイルで提供されるオプションに基づいて選択されます。
特定のモジュールの VCD ダンプをイネーブルにするには、テキスト ファイルでモジュール タイプを選択し、そのファイルを aiesimulator
のコマンド ラインへの入力として渡します。ファイルの内容は、生成された aie_simulator
/aiesim_options.txt
にマージされます。HW エミュレーション フローでこのファイルを使用する場合も同様です。aiesimulator
コマンド ラインに渡されるオプションは、オプション ファイルで指定された同じオプションよりも優先されます。
aiesimulator --options-file=<user_aiesim_options.txt> --dump-vcd=<file_name>
次に、選択項目を示します。デフォルトでは、CLK
および STREAM_SWITCH
を除くすべてのモジュールは、true
に設定されます。オプションを false
に設定すると、モジュールがオフになります。
行/列の選択
AIE_DUMP_VCD_ROW=(<row start index>,<row end index>),( <row start index>,<row end_index>)...
AIE_DUMP_VCD_COL=(<column start index>,<column end index>),( <column start index>,<column end_index>)...
- 行
-
AIE_DUMP_VCD_ROW
を使用して、選択した行にあるすべてのアクティブ コアの VCD データを生成します。Shim インターフェイスの行をrow 0
とした絶対座標を指定する必要があります。例: 1 行目~ 4 行目にあるアクティブ コアの VCD データを生成するには、options.txt ファイルで
AIE_DUMP_VCD_ROW=(2,5)
と指定します。
- 列
-
AIE_DUMP_VCD_COL
を使用して、選択した列にあるすべてのアクティブ コアの VCD データを生成します。例: 23 列~ 26 列にあるアクティブ コアの VCD データを生成するには、options.txt ファイルで
AIE_DUMP_VCD_COL=(23,26)
と指定します。
- 時間間隔
-
AIE_DUMP_VCD_INTERVAL
を使用して、指定された期間の VCD データを生成します。生成される VCD ファイルには、指定された期間のすべてのアクティブ コアに関するデータが含まれます。指定可能な期間は 1 つのみです。注記:End time -1
は、シミュレーションの終了を意味します。例: 600 ns ~ 700 ns 間の VCD データを生成するには、
AIE_DUMP_VCD_INTERVAL=(600,701)
と指定します。
タイルの種類の選択
AIE_DUMP_VCD_CORE=true/false
AIE_DUMP_VCD_SHIM=true/false
AIE_DUMP_VCD_MEM=true/false (valid for AIEngine ML designs only)
- コア
-
AIE_DUMP_VCD_CORE
を使用して、プロセッサ モジュール、プログラム、およびデータ メモリに関連する信号を含む VCD データを生成します。
- Shim
-
AIE_DUMP_VCD_SHIM
を使用して、すべての Shim タイルに関連する信号を含む VCD データを生成します。
- メモリ
-
AIE_DUMP_VCD_MEM
を使用して、すべての MEM タイルに関連する信号を含む VCD データを生成します。このオプションは、AI エンジン ML デザインでのみ有効です。
タイルのサブモジュールの選択
タイルのサブモジュールに関連する VCD データを出力するには、上記のタイル タイプのカテゴリを選択する必要があります。
AIE_DUMP_VCD_IO=true/false
AIE_DUMP_VCD_DMA=true/false
AIE_DUMP_VCD_STREAM_SWITCH=true/false
AIE_DUMP_VCD_CLK=true/false
モジュールの信号は、Vitis Unified IDE の [Analysis] ビューに表示される情報のカテゴリに関連して分類されます。
- I/O
-
AIE_DUMP_VCD_IO
を使用して、AI エンジン カーネルの入力/出力、ロック、ストールに関連する信号を含む VCD データを生成します。この VCD データを生成するには、このオプションを次のいずれかのタイル タイプ オプションと共に指定する必要があります:AIE_DUMP_VCD_CORE
、AIE_DUMP_VCD_SHIM
、またはAIE_DUMP_VCD_MEM
。
- DMA
-
AIE_DUMP_VCD_DMA
を使用して、DMA 転送およびロックに関連する信号を含む VCD データを生成します。この VCD データを生成するには、このオプションを次のタイル タイプ オプションのいずれかと共に指定する必要があります:AIE_DUMP_VCD_CORE
またはAIE_DUMP_VCD_MEM
。
- ストリーム スイッチ
-
AIE_DUMP_VCD_STREAM_SWITCH
を使用して、ストリーム スイッチ境界上にあるすべてのストリームに関連する信号を含む VCD データを生成します。この VCD データを生成するには、このオプションを次のいずれかのタイル タイプ オプションと共に指定する必要があります:AIE_DUMP_VCD_CORE
、AIE_DUMP_VCD_SHIM
、またはAIE_DUMP_VCD_MEM
。
- クロック
-
AIE_DUMP_VCD_CLK
を使用して、クロック信号を含む VCD データを生成します。