AI エンジン コンポーネントを作成した後、Flow Navigator から Component を選択すると、ツールでアクティブなコンポーネントにできます。次に、X86 Simulation フローまたは AI Engine Simulator/Hardware フローのいずれかの下にある Build コマンドを選択します。
IDE の AI エンジン コンポーネントは、v++ モードの AI エンジン で説明するように、コンパイルによくあるコマンド ラインの v++ --mode aie
新機能を使用します。コンポーネントは、コンパイル プロセスのターゲットに応じて、x86simulator
または aiesimulator
のいずれかで実行され、実際のハードウェア デバイス上で実行することもできます。
AI エンジン コンパイラは 2 つのビルド ターゲットをサポートします。
- ターゲットに
x86sim
を指定すると、x86 論理シミュレーションで使用するコードがコンパイルされます。 - ターゲットに
hw
を指定すると、コードがコンパイルされ、aiesimulator
、ハードウェア エミュレーション、またはハードウェアで使用するlibadf.a
が生成されます。
Vitis IDE では、build/<target>/Work という IDE 起動時に使用するワークスペース内の AI エンジン コンポーネントの下位ディレクトリに作業ディレクトリ (-work_dir
) を指定します。たとえば、--work_dir ./work_space/aie-component/build/hw/Work
のように指定します。build/<target> と build/<target>/Work フォルダーは、ビルド プロセスの出力が含まれるディレクトリです。出力のタイプと出力ディレクトリの内容は、指定したターゲットによって異なります。
work_dir
を無視します。ビルド プロセスのトランスクリプトが Output コンソールに表示され、タイトルはコンポーネント名とビルド ターゲットを合わせたものになります (例: aie1::x86sim
)。ビルドが完了したら、そのトランスクリプトまたは <component>/build/<target> フォルダーに書き込まれた AIECompiler.log ファイルを確認します。トランスクリプトに「Build Finished successfully」と表示されるはずですが、代わりにエラーがレポートされることもあります。Flow
Navigator には、ビルドの結果に応じて、緑の丸の中にチェックマーク、または赤の丸の中に × が表示されます。ビルドがエラーで終了した場合は、トランスクリプトまたはログ ファイルを確認して原因を特定し、必要に応じてビルドを実行し直します。
ビルドが完了したら、AI エンジンのマイクロ コードの表示 で説明するように、AI エンジン コンパイラが生成したマイクロコードを見ることができます。これにより、特定の AI エンジン タイルで実行されることがスケジューリングされているカーネル コードに対応するマイクロコードである LST (.lst) ファイルが開きます。
ビルドに成功すると、コンパイル中に生成された一連のレポートが Flow
Navigator に表示されます。レポートには、Reports を展開するとアクセスできます。使用可能なレポートは、ビルド ターゲット (x86sim
または hw
) によって異なります。使用可能なレポートのいずれかを選択して表示したり、Analysis ビューに切り替えてレポートの確認を完了できます。利用可能なレポートの詳細は、
『Vitis 統合ソフトウェア プラットフォーム資料: アプリケーション アクセラレーション開発』 (UG1393) の [Analysis] ビュー (Vitis アナライザー) の使用 を参照してください。
ビルドが正常に完了したら、コンポーネントに対して Run または Debug を実行できます。