ハードウェア上でのシステムの実行 - 2023.2 日本語

システムの実行は、ビルド ターゲットによって異なります。物理的なハードウェア上で実行するプロセスは、ソフトウェアやハードウェアのエミュレーションを実行するのとは異なります。エミュレーション実行の詳細は、エミュレーション ターゲットの実行 を参照してください。

システム プロジェクトのハードウェア ビルドを実行すると、AMD Versal™ アダプティブ SoC や AMD Zynq™ UltraScale+™ MPSoC デバイス、または AMD Alveo™ データセンター アクセラレータ カードのようなアクセラレータ カードをターゲットとするエンベデッド プロセッサ プラットフォーム上で動作するアプリケーションを確認できます。示されるパフォーマンス データおよび結果は、アクセラレーション アプリケーションの実際のパフォーマンスです。この実行からのプロファイリング データでも、デザインを最適化できる可能性が示される場合があります。

1. xrt.ini ファイル の説明に従って xrt.ini ファイルを編集します。

   これはオプションですが、評価目的にハードウェアで実行する場合に推奨されます。xrt.ini ファイルを使用すると、アプリケーション実行中にデバッグとプロファイル データを取り込むように XRT ファイルを設定できます。ハードウェアの実行時にイベント トレース データを取り込む方法は、アプリケーションでのプロファイリングのイネーブル を参照してください。実行中のハードウェアをデバッグする方法は、ハードウェア実行中のデバッグ を参照してください。

   ヒント: カーネル コードをデバッグ用にコンパイルするには、v++ -g オプションを使用してください。
2. XCL_EMULATION_MODE 環境変数の設定を解除します。
   重要: XCL_EMULATION_MODE 環境変数がエミュレーション ターゲットに設定されていると、ハードウェア ビルドが実行されません。
3. エンベデッド プラットフォームの場合は、SD カードを起動します。
   ヒント: この手順は、Versal アダプティブ SoC や Zynq UltraScale+ MPSoC などのAMD エンベデッド デバイスを使用するプラットフォームでのみ必要です。

   エンベデッド プロセッサ プラットフォームの場合、v++ --package コマンドで生成された ./sd_card フォルダーの内容を、システムのブート デバイスとして SD カードにコピーします。SD カードからシステムを起動します。SD カードからアプリケーションを実行するには、次の手順で PetaLinux にログインする必要があります。

   1. petalinux というユーザー名でログインし、初めてログインする場合はこのユーザーのパスワードを設定します。このパスワードは、sudo パスワードにもなります。
   2. sudo -i: ユーザーを sudo に切り替え、SD カードからホストアプリケーションを実行します。
   3. cd /run/media/mmcblk0p1: ディレクトリを SD カードのディレクトリに変更します。
   4. 次の手順で説明するようにアプリケーションを実行します。
4. アプリケーションを実行します。

   アプリケーションを実行するための具体的なコマンドラインは、ホスト コードによって異なります。AMD チュートリアルおよびサンプルで使用される一般的なインプリメンテーションは次のとおりです。

   ./host.exe kernel.xclbin

アプリケーションでのプロファイリングのイネーブル で説明するように、デザインを実行中、実行時にデザイン データをキャプチャする多数のトレース オプションを指定できます。実行中に生成されるレポートはすべて xrt.run_summary ファイルに収集されます。このレポートのコレクションは、Vitis アナライザーで run_summary を開くと表示でき、ハードウェア デザインを描くサマリ レポート、システムおよびプラットフォーム図、システム パフォーマンスを改善する提案事項を示す Run Guidance レポート、実行時に xrt.ini ファイルで有効になっている場合は、プロファイル サマリおよびタイムライン トレースを含みます。詳細は、[Analysis] ビュー (Vitis アナライザー) の使用を参照してください。