デザインへのトラフィック ジェネレーターの追加 - 2023.2 日本語

Vitis 統合ソフトウェア プラットフォームの資料: アプリケーション アクセラレーション開発 (UG1393)

Document ID
UG1393
Release Date
2023-12-13
Version
2023.2 日本語

AXI トラフィック ジェネレーター カーネルを使用すると、シミュレーション中にシステム デザイン、AI エンジン グラフ、PL カーネルの I/O にトラフィックを挿入できます。AMD では、ソフトウェアおよびハードウェア エミュレーションの場合に AXI4-Stream インターフェイスをイネーブルにしてストリーミング データフローを模倣したり、ハードウェア エミュレーションの場合に AXI4 メモリ マップド インターフェイスをイネーブルにしてメモリ マップド データ転送を模倣するライブラリを提供しています。

AXI トラフィック ジェネレーターは XO ファイルとして提供されており、Vitis コンパイラ (v++) を使用してシステム プロジェクトにリンクできます。これらの XO ファイルは、sim_ipc_axis_master_XY.xo および sim_ipc_axis_slave_ZW.xo (XY および ZW は PLIO インターフェイスでのビット数) です。たとえば、sim_ipc_axis_master_128.xo は 128 ビット幅の AXI4-Stream マスター データ バスです。幅の広いインターフェイスを使用すると、低いクロック周波数で同じスループットを達成でき、AI エンジン アレイでメモリの帯域幅を最大限に活用できます。PLIO インターフェイス タイルはそれぞれ 64 ビット幅で、リソースは限られます。1 つの 64 ビット PLIO インターフェイスを 2 倍のクロック速度で使用すると、1 つの PLIO タイルで 128 ビットの PLIO と同じ帯域幅を達成できます。これには、PL を 2 倍のクロック速度で実行する必要があり、最適な設定はアプリケーションによって異なります。

システム デザインでトラフィック ジェネレーターを使用するには、2 段階の操作が必要です。

  1. トラフィック ジェネレーター (sim_ipc) モジュールと、AI エンジン アレイ上の対応する AXI4-Stream ポートとの間の接続を指定します。これは通常、システムのリンク で説明されるように、--connectivity.nk--connectivity.sc コマンドを使用して system.cfg ファイルで指定されます。次に例を示します。

    [connectivity]
    nk=sim_ipc_axis_master:1:inst_sim_ipc_axis_master
    nk=sim_ipc_axis_slave:1:inst_sim_ipc_axis_slave
    stream_connect=sim_ipc_axis_master.M00_AXIS:ai_engine_0.DataIn
    stream_connect=ai_engine_0.DataOut:sim_ipc_axis_slave.S00_AXIS

    sim_ipc_axis XO ファイルを接続する構文は、次のとおりです。

    nk=sim_ipc_axis_master:<Number Of Masters>:<inst_name_1>.<inst_name_2>.<...>
    nk=sim_ipc_axis_slave:<Number Of Slaves>:<inst_name_1>.<inst_name_2>.<...>

    説明:

    • sim_ipc_axis_master/slave は、デザインの XO カーネルを指定します。
    • <Number Of Masters> または <Number Of Slaves> フィールドでは、デザイン内で最大 8 つの異なるトラフィック ジェネレーター カーネルを指定できます。
    • <inst_name> は、アプリケーションで意味のある名前にする必要があります。
  2. 次に、XO ファイルを Vitis リンク コマンドに追加します。

    重要: トラフィック ジェネレーター XO は、hw_emu ターゲットを使用したハードウェア エミュレーションでのみ使用できます。
    v++ -l --platform <platform.xpfm> sim_ipc_axis_master_128.xo sim_ipc_axis_slave_128.xo libadf.a -target hw_emu --config system.cfg

Vitis コンパイラでの XO ファイルの使用方法については、デバイス バイナリのビルド を参照してください。