AI エンジン グラフのための Python API - 2023.2 日本語

次は、AI エンジン 固有の API のリストと、トラフィック ジェネレーターを統合する際の使用方法です。Python API を使用すると、PL カーネルに渡すデータを生成したり、AI エンジン グラフからデータを収集するトラフィック ジェネレーター コードを作成できます。データを送信および受信するオブジェクトをインスタンシエートするには、次の API を使用します。send_data または receive_data には、任意のデータ型ベクター/リストを指定できます。

データを送信または受信するクラスのインスタンシエート

aie_input_plio( name, datatype)
aie_output_plio(name, datatype)

パラメーター:

• name: グラフの PLIO 名と一致する文字列。
• datatype: サポートされる値、[ "int8", "uint8","int16", "uint16","int32", "uint32","int64", "uint64","float", "bfloat16"] を使用した文字列

表 1. サポートされる AI エンジンのデータ型

#num	AIE カーネルのデータ型	API 列挙型文字列	使用法	ユーザー値リストの表記 (Python)
1	int8	int8	input_port = aie_input_plio('input_port_name',"int8")	data = [12 23 2 -2 23]
2	int16	int16	input_port = aie_input_plio('input_port_name',"int16")	data = [1212 121 232 -2323]
3	int32	int32	input_port = aie_input_plio('input_port_name',"int32")	data = [ 121 23234 2323232 23 -878787]
4	int64	int64	input_port = aie_input_plio('input_port_name',"int64")	data = [232 2342232 -23482947 238273]
5	uint8	uint8	input_port = aie_input_plio('input_port_name',"uint8")	data = [23 23 12]
6	uint16	uint16	input_port = aie_input_plio('input_port_name',"uint16")	data = [236 23728 2378 8237]
7	uint32	uint32	input_port = aie_input_plio('input_port_name',"uint32")	data = [267 2376 2362736 232767362]
8	uint64	uint64	input_port = aie_input_plio('input_port_name',"uint64")	data = [347 2348 327 98932 872389]
9	float	float	input_port = aie_input_plio('input_port_name',"float")	data = [3.14 2.3234 3472.23]
10	bfloat16	bfloat16	input_port = aie_input_plio('input_port_name',"bfloat16")	data = [3.14 2.3234 3472.23] 注記: 浮動小数点での Float と Bfloat16 の表記法は類似しています。ただし、AIE に転送する場合、float は 32 ビットで転送され、bfloat16 は 16 ビットで転送される点が異なります。
11	cfloat	float	input_port = aie_input_plio('input_port_name', "float")	data = [3.14 2.2323 23.3 23.33] 注記: 左から、偶数位置が実数位置、奇数位置が虚数位置となります。
12	cint16	int16	input_port = aie_input_plio('input_port_name',"int16")	data = [32 232 232 234] 注記: 左から、偶数位置が実数位置、奇数位置が虚数位置となります。
13	cint32	int32	input_port = aie_input_plio('input_port_name',"int32")	data = [23 -23 23 -232] 注記: 左から、偶数位置が実数位置、奇数位置が虚数位置となります。

注記: cint32 のように、データ型によっては、実数値と虚数値のペアを同じリストで提供するために、int32 を使用できます。つまり、複合型のユーザー リストのサイズは常に偶数になります。

たとえば、外部ポートを作成する前に、AI エンジン デザインでのトラフィック ジェネレーターの使用 の説明に従って AI エンジン グラフを変更しておく必要があります。グラフの変更が終了したら、Python スクリプトで AI エンジン のセンダーおよびレシーバー オブジェクトを作成できます。

input = aie_input_plio("in_data", 'int16')
output = aie_output_plio("out_data", 'int16')

この場合、in_data と out_data はグラフ コードで PLIO のマッチを定義します。input と output は作成されたオブジェクトです。

2 つ目のパラメーター int16 は、トラフィック ジェネレーターとインターフェイスされた AI エンジン カーネルのデータ型です。

send_data()

send_data(data, tlast)
creates a non-blocking call to send data

パラメーター:

• data: 指定されたデータ型のリスト
• tlast: ブール値 (true (1) または false (0))

注記: datatype は、オブジェクトのインスタンシエーション時に指定する必要があります。

次は、トラフィック ジェネレーター オブジェクトを作成し、それを使ってデータを送信する例です。

input = aie_input_plio("in_data", "uint32")
input.send_data(<data_list>, "false")

この API 呼び出しは、トラフィック ジェネレーターに接続された "in_data " PLIO を介して、AI エンジン カーネルにデータを送信します。

receive_data()

receive_data()
creates a blocking call to receive data

指定されたデータ型のリストを返します。

注記: データ型は、オブジェクトのインスタンシエーション時に指定する必要があります。

次に例を示します。

recv_data = output.receive_data()

recv_data は、receive_data() の返り値を含むリストです。

receive_data_with_size()

receive_data_with_size(data_size)
creates a blocking call to receive a specified amount of data

パラメーター:

• data_size: 受信するデータ量をバイト単位で示した整数値

指定されたデータ型のリストを返します。

注記: データのサイズはバイト単位でのみ指定します。

次に例を示します。

recv_data = output.receive_data_with_size(1024)

指定されたバイト数のデータを受信するまでブロックするブロッキング API です。

receive_data_on_tlast()

receive_data_on_tlast()
creates a blocking call returning data after receiving tlast packet

指定されたデータ型のリストを返します。

注記: datatype は、オブジェクトのインスタンシエーション時に指定する必要があります。

次に例を示します。

recv_data = output.receive_data_on_tlast()

recv_data には、receive_data_on_tlast() から返されたデータが含まれます。TLAST 信号を受信するまで待機するブロッキング API です。