スイッチング レギュレータ

Versal ACAP GTY および GTYP トランシーバー アーキテクチャ マニュアル (AM002)

Document ID
AM002
Release Date
2021-05-05
Revision
1.2 日本語

スイッチング レギュレータは、GTY トランシーバーのアナログ電源に対して優れた電圧制御を提供できる高効率レギュレータです。リニア レギュレータとは異なり、スイッチング レギュレータによる電圧制御は、入力電圧と出力電圧の電圧降下に依存しません。したがって、高い効率を維持しながら、大容量の電流を供給できます。スイッチング レギュレータが 95% 以上の効率性を維持できることはめずらしくありません。このレギュレータの効率は、入力電圧と出力電圧の差にあまり影響されず、また負荷電流の影響もリニア レギュレータの場合よりもはるかに低くなります。このようにスイッチング レギュレータは高効率で、大量の電力を回路へ供給する必要がない上に、レギュレータで生成される熱を放出するための大きな装置も必要ありません。

スイッチング レギュレータの短所は、回路の複雑性とレギュレータのスイッチ機能によってノイズが生成されることです。通常、スイッチング レギュレータの回路はリニア レギュレータの回路よりも複雑です。近年、スイッチング レギュレータ コンポーネントの開発ベンダーの多くがこの短所を解消する努力を続けています。通常、スイッチング レギュレータ回路には、スイッチング トランジスタ エレメント、インダクター、およびキャパシタが必要です。求められる効率要件や負荷要件によっては、外部にスイッチング トランジスタやインダクターが必要になる場合があります。コンポーネント数のほかにも、これらのスイッチング レギュレータを効率よく動作させるためには、PCB 上の配置配線を慎重に行う必要があります。

スイッチング レギュレータは非常に大きなノイズを生成するため、GTY トランシーバーのアナログ電源入力ピンへ電圧を供給する前にフィルター機能を追加する必要があります。ノイズ振幅は 10mVpp 未満に抑える必要があるため、このノイズ要件を満たすように電源フィルターを設計し、スイッチング レギュレータで生成されるノイズを抑えてください。