NoC マスター ユニット (NMU) は、NoC へのイングレス ポイントです。NMU には次の機能があります。
- AXI マスターと NoC 間の非同期クロック乗せ換えおよびレート マッチ。
- AXI プロトコルと NoC パケット プロトコル (NPP) の双方向変換。
- アドレス マッチと配線制御。
- 32、64、および 128 ビット インターフェイスに対する WRAP バーストをサポート。
- INCR および FIXED バーストをサポート。
- 読み出しタグ変更により、アウトオブオーダー サービスをサポートし、インターコネクトのブロッキングを防止。
- 書き込み順序の強制。
- イングレス QoS 制御。
- AXI 排他アクセス機能の処理。
- AXI インターフェイスでは 32 ~ 512 ビット、AXI4-Stream インターフェイスでは 128 ~ 512 ビットに設定可能なデータ幅をサポート。AXI データ幅は、接続した IP からパラメーターを伝搬して設定。
- AXI3、AXI4、および AXI4-Stream をサポート。
- 最大 32 の AXI 読み出しと 32 の AXI 書き込みの受け入れ。
- 最大 64 の未処理 NPP 書き込みをサポート。NPP 書き込みのサイズは最大 256 バイト。256 バイトを超える AXI 書き込みは複数の NPP 書き込みを使用。
- 最大 64 の未処理 NPP 読み出し (それぞれ 32 バイト) をサポート。読み出しリオーダー バッファー (RROB) は 64 個の 32 バイト エントリを格納。32 バイトを超える AXI 読み出しは複数のエントリを使用。
- インターリーブ粒度 128B ~ 4KB の DDR コントローラー インターリーブをサポート。
- プログラマブルな仮想チャネル マップ。
- 2 種類の NMU。
- フル機能
- 上記すべての機能をサポートし、プログラマブル ロジックで使用。
- レイテンシ最適化
- 128 ビット幅固定の AXI インターフェイスで、すべてのトランザクションはアドレスにもとづいて転送される。注: 統合ブロック (CIPS および AI エンジン) はレイテンシ最適化 NMU/NSU ブロックを使用し、PL はフル機能ブロックを使用します。
NMU は、システムのトランザクション開始側にあります。NMU は標準 AXI4 インターフェイスを備えており、オプションの側帯波信号を使用することで高度なアドレス指定と転送制御をサポートします。上の図に示したように、NoC とマスター ユニットのアプリケーション (AXI) 側の間には、非同期クロック乗せ換えおよびレート マッチ ブロックがあります。書き込みバブルを防ぐために、十分なペイロードが集まるまでレート マッチ ブロックは低速なアプリケーション ドメインからの書き込みデータをバッファーに格納します。
データのパケット化は、AXI 要求が NMU クロック ドメインに入った時点で実行されます。パケット化の一部として、読み出しおよび書き込みトランザクションをより小さな転送単位に分割します (チョッピング)。チョッピングは、常にチョップ サイズに揃った境界で実行されます。チョッピングに影響するパラメーターは、チョップ サイズ (256 バイト固定) とメモリ インターリーブ サイズ (2 つの DDR コントローラーをインターリーブする場合) の 2 つです。メモリ インターリーブの粒度が 256 バイトより小さい場合、読み出しおよび書き込みはインターリーブ粒度と同じ転送単位に分割されます。インターリーブしないトランザクション、またはインターリーブ粒度が 256 バイト以上のトランザクションは、256 バイトの転送単位に分割されます。分割された各トランザクションは、NoC パケット (「フリット」) に分割されます。各フリットは、最大 16 バイトのデータと各種のヘッダー情報を伝送できます。
パケット化と並行して、デスティネーション ID を決定するためのアドレス参照 (ルックアップ) が実行されます。
読み出し処理では、各読み出しパケットに対して読み出しタグ変更を実行後、読み出しリオーダー バッファー (RROB) の空きスロット数に基づいてオーダリング ID を割り当てます。RROB は、AXI-ID ごとに割り当てられたタグの連結リストを管理しており、応答を正しい順番で返すことができます。
最後に、アクセス QoS 制御を実行してからパケットが NoC スイッチ ファブリックに送信されます。
読み出し応答は、RROB に格納されます。要求元の AXI マスターにどの読み出し応答を返すかは、バッファー出力にあるロジックが AXI オーダリング規則に従って選択します。このロジックは、要求パスからの連結リスト構造を使用して、正しい応答順を決定します。