report_incremental_reuse
コマンドは、read_checkpoint
-incremental
を実行した後であればどの段階でも使用できます。このレポートは、基準デザイン run と現在のデザイン run で次を比較します。
- 現在の run のセル、ネット、I/O、およびピンの再利用
- 実行時間
- フローの各段階でのタイミング WNS
- ツール オプション
- ツール バージョン
-
iphys_opt_design
での最適化の再実行 - インクリメンタル フローでの QoR 推奨項目の適用
セルの再利用および上記の事項を確認することにより、インクリメンタル フローの効果を判断できます。インクリメンタル フローが効果的でない場合は、チェックポイントをデザインのより新しいバージョンにアップデートするか、ツール フローを調整します。このレポートには、次の 7 つのセクションがあります。
Flow Summary (フロー サマリ)
現在のインクリメンタル フロー全体の一般情報をレポートします。
Reuse Summary (再利用サマリ)
再利用されたセル、ネット、ピン、およびポートの概要を示します。次に例を示します。
列には、次の情報が表示されます。
- Matched (一致) - インスタンス名、REF_NAME プロパティが同じ、または一部の情報が若干異なるが一致と判断されたセル。
read_checkpoint -incremental
の最後に計算されます。 - Initial reuse (初期の再利用) - 項目一致した場合、一致している位置情報が再利用されたかどうかを示します。接続が正しくないまたはほかのデザイン要件が適用されているなどの理由で、一致する項目を再利用できない場合があります。
- Current reuse (現在の再利用) - 現在の設計段階での再利用を示します。ツール フローを使用して有効なソリューションを作成するときに、初期の再利用と比較して、再利用されていない程度を確認するのに役立ちます。
- Fixed (固定) - インクリメンタル フローで使用できない項目。固定されている項目が多い場合、有効なソリューションの作成が難しくなることがあります。
Reference Checkpoint Information (基準チェックポイント情報)
基準チェックポイントに関する情報を示します。このセクションからは、次を確認できます。
- 生成された Vivado バージョン
- インプリメンテーションの段階
- 記録された WNS および WHS
- 基準 run とインクリメンタル run の両方のスピード ファイル バージョン情報
次に例を示します。
Comparison with Reference Run (基準 run との比較)
基準 run との比較情報を示します。このセクションからは、次を比較できます。
- 実行時間
- フローの各段階での WNS
- フローの各段階で使用されたツール オプション
read_checkpoint
-incremental
の後に出力されるチェックポイントをタイミング解析してください。Optimization Comparison with Reference Run (基準 run との最適化比較)
基準 DCP から取得された iphys_opt_design
での最適化の再実行情報と、現在のインクリメンタル フローに生成および適用された RQS 推奨項目の数を示します。次に例を示します。
Command Comparison with Reference Run (基準 run とのコマンド比較)
実行されたコマンドを示します。次に例を示します。
iphys_opt_replay
によって基準 run からのすべての最適化が再実行されない可能性があります。再実行されない最適化は、セルまたはネットの再利用に影響します。read_checkpoint -incremental の前に使用されたコマンドが同じであることを確認し、再利用が最大になるように特に注意してください。
Non Reuse Information (再利用されていないものの情報)
再利用されなかったものとその理由を示します。次に例を示します。