IP インテグレーターには、基本的な IP サブシステムの統合を支援するために、さまざまなブロック間の内部接続や外部インターフェイスへの接続を自動的に実行するブロック オートメーションやコネクション オートメーションといった設計アシスタンス (Designer Assistance) と呼ばれる機能があります。 ブロック オートメーション機能は、AMD Zynq™ 7000 Processor System 7 (ZYNQPS7)、Zynq MPSoC (Zynq_ultra_ps_e_0)、MicroBlaze プロセッサなどのエンベデッド プロセッサ、またはイーサネットなどの階層 IP を IP インテグレーターのブロック デザインにインスタンシエートすると提供されます。
ブロック オートメーション
設計アシスタンスを使用すると、単純な MicroBlaze システムが統合しやすくなります。この機能を使用する方法は、次のとおりです。
- 次の図に示すように、デザイン キャンバス上部にある Run Block Automation リンクをクリックします。
次の図のように [Run Block Automation] ダイアログ ボックスが開きます。
- このダイアログ ボックスでは、マイクロプロセッサ システムで必要とされる基本的な機能に関する入力ができます。
必要なオプションを指定したら、次の図に示すようにブロック オートメーション機能により基本的なシステムが自動的に作成されます。
たとえば、次の図に示す MicroBlaze システムには、次が含まれてています。
- MicroBlaze Debug Module 1 つ
- Local Memory Bus、Local Memory Bus Controller、Block Memory Generator を含む
microblaze_1_local_memory
と呼ばれる階層ブロック - Clocking Wizard の 1 つ
- AXI Interconnect 1 つ
- AXI Interrupt Controller 1 つ
コネクション オートメーション
デザインはこの段階ではまだ外部 I/O ポートに接続されていないので、上図に示すように、IP インテグレーター キャンバスの薄緑色のバナー部分にコネクション オートメーション機能へのリンクが表示されます。[Run Connection Automation] をクリックすると、インターフェイスおよびポートを外部 I/O ポートに接続するためのアシスタンス機能が実行されます。
[Run Connection Automation] ダイアログ ボックスには、次の図に示すように、コネクション オートメーション機能でサポートされるポートおよびインターフェイス、使用可能なオートメーションの簡単な説明、各オートメーションのオプションが表示されます。
AMD のターゲット リファレンス プラットフォームまたは評価ボードには、「ボード認識」と呼ばれるターゲット ボードで使用される FPGA ピンが IP インテグレーターで認識される機能があります。その情報に基づいてコネクション オートメーション機能によりデザイン内のポートがボード上の外部ポートに接続され、IP インテグレーターにより適切な物理制約および I/O ポートに必要なその他の I/O 制約が作成されます。
MicroBlaze システム デザインでは、上記に示すように、次の接続が必要です。
- Processor System Reset IP を外部リセット ポートに接続。
- Clocking Wizard を外部クロック ソースと外部リセットに接続。
次の図のように、適切なオプションを選択すると、クロック ポートとリセット ポートをターゲット ボードの適切なソースに接続できます。
この例では、KC705 ターゲット ボードに存在するリセット ピンを選択するか、カスタム リセット ピンを指定します。リセットを指定すると、リセット ピンが Proc_Sys_Rst
IP の ext_reset_in
ピンに接続され、クロックは sys_diff_clock
という 200 MHz のオンボード クロック ソースに接続されます。
設計アシスタンス機能では、IP インテグレーターでの開発が常に監視されます。
たとえば、AXI_GPIO
IP をデザインにインスタンシエートすると、デザイン キャンバス上部のバナーに [Run Connection Automation] のリンクが表示されます。[Run Connection Automation] をクリックすると、追加された AXI GPIO の S_AXI
ポートを AXI Interconnect を介して MicroBlaze プロセッサに接続できます。
同様に、GPIO インターフェイスをターゲット ボードにある複数のインターフェイスの 1 つに接続できます (次の図を参照)。
接続オプションは次のとおりです。
- GPIO インターフェイス ポートは、4 ビットの Dip Switch、7 ビットの LCD、8 ビットの LED、5 ビットのプッシュボタンのいずれかに接続できます。
- ボードの Rotary Switch はカスタム インターフェイスに接続できます。
これらのいずれかを選択すると、GPIO ポートがボードの既存の接続に接続されます。
次の図のように、オートメーションで S_AXI
を選択すると、GPIO のスレーブ AXI ポートを MicroBlaze マスターに接続できることが示されます。デザインにマスターが複数含まれる場合は、いずれかを選択します。GPIO の S_AXI
インターフェイスなどのスレーブ インターフェイスに対し、クロック接続を指定することもできます。
[Run Connection Automation] ダイアログ ボックスで [OK] をクリックすると、接続が実行され、次の図に示すようにハイライトされます。