Versal デバイスには、MMCM、DPLL、および XPLL 出力クロックのスキュー調整用の機能があります。
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このスキュー調整オプションは、MMCM、DPLL、XPLL に以前から存在するフィードバックを置き換えるものではありません。
MMCM および PLL の通常のフィードバックは M カウンターを使用し、クロック フィードバック出力 (CLKFBOUT) をクロック フィードバック入力 (CLKFBIN) に配線/接続する必要があります。このフィードバック配線は、直接接続することもクロック バッファーを介して接続することもでき、内部配線と外部配線のいずれも可能です。
- スキュー調整入力およびロジック (位相検出器 (PD) と位相インターポレーター (PI)) によって出力クロック ネットワーク (CLKOUT*) の位相を揃えてスキューを調整し、通常の入力クロック (CLKIN) 以外の入力クロックを供給します。スキュー調整機能は、同じ周波数の 2 つのクロック ネットワーク間のスキューを除去することを目的としています。詳細は、スキュー調整の動作 を参照してください。
- このスキュー調整機能は、2 つのクロック入力に対して 1 つの PD と複数の PI を使用します。PI は、下図に示すように各出力カウンター (すなわち各クロック出力) に対して 1 つずつあります。各 PI は、PD から制御できます。
- PD は両方の入力クロック (CLKIN_DESKEW、CLKFB_DESKEW) の立ち上がりエッジが揃うように制御します。選択した PI を PD の出力で制御し、必要な出力カウンターに対して 32 の VCO クロック位相の 1 つを出力します。PD の 2 つの入力の 1 つに、ユーザー設定可能な遅延ラインを挿入でき、入力は CLKIN_DESKEW または CLKFB_DESKEW を選択できます。この遅延ラインの入力遅延は固定されており、64 タップ (1 タップは 40ps、ただし PVT により可変) で構成されます。
- PD の制御により、PI は VCO から受信した 8 つのクロック位相を 32 の位相に変換し、出力カウンター O および M に渡します。
- 出力カウンターの前にある PI が、出力用のクロックとして 32 の位相のいずれか 1 つを選択します。
- VCO の 8 つの位相は 1 つが 45° に相当し、32 の位相は 1 つが 11.25° に相当します。したがって、低速出力クロックの場合に 11.25° の位相ジャンプをなるべく小さくするには、VCO の動作速度をなるべく高くすることが非常に重要になります。
- MMCM のファイン位相シフト オプションも PI を使用します。
図 1. スキュー調整ロジック