ハードウェア エミュレーションは、AI エンジン、PS、および PL で構成される Versal ACAP システム全体をシミュレーションします。Vitis ソフトウェア プラットフォームを使用すると、3 つの計算ドメインすべてをターゲットとするブロックおよび関数を統合できます。Vitis リンカーにより、RTL、SystemC、および QEMU モデルを含む完全な協調シミュレーション セットアップが自動的に生成されます。
- PS で実行されるエンベデッド ソフトウェア コードは、QEMU を使用してエミュレートされます。
- AI エンジン で実行されるコードは、SystemC AI エンジン シミュレータを使用してエミュレートされます。
- ユーザー PL カーネルは、RTL コードとしてシミュレーションされます。
- ハードウェア プラットフォームの IP ブロックは、使用可能なモデルまたは選択されたモデルのタイプに基づいて、RTL または SystemC TLM としてシミュレーションされます。
Vitis ハードウェア エミュレーションの抽象化は、サイクル精度に非常に近いですが、完全にサイクル精度ではありません。シミュレーション速度のため、Versal ACAP プラットフォームの一部の詳細は、TLM モデルを使用して抽象化されます。
Vitis ハードウェア エミュレーションのスコープも、この目的で定義されます。ハードウェア エミュレーションを使用すると、インプリメンテーションの前に、デザイン全体をシミュレーションして、PL、PS、および AI エンジンの相互関係をシミュレーションできます。ハードウェア エミュレーションでは、アプリケーションのすべての側面を完全にデバッグできるため、この環境で複雑な問題をデバッグする方が実際のハードウェアを使用するよりも簡単です。
ハードウェア エミュレーションは、Vitis 統合ソフトウェア プラットフォームで実行できます。詳細は、 『Vitis 統合ソフトウェア プラットフォーム資料: アプリケーション アクセラレーション開発』 (UG1393) および 『Versal ACAP AI エンジン プログラム環境ユーザー ガイド』 (UG1076) を参照してください。