エアフローおよびヒートシンク フィンの決定

ザイリンクス デバイス向けヒートシンクおよび熱ソリューションの設計 (XAPP1377)

Document ID
XAPP1377
Release Date
2022-06-06
Revision
1.0 日本語

水冷システムや宇宙空間などの真空中で運用されるシステムを除き、ほとんどのシステムは空気 (強制対流または自然対流) を利用してデバイスから熱を除きます。ほとんどの場合、そのためにはフィンやピンなどの突起物をヒートシンク ベースに直接取り付けて使用するか、またはデバイスからの熱伝導により間接的に空気中に放熱する必要があります。システムの物理的制約の中で空気との間で熱を適切に交換するには、フィンのサイズ、数、アタッチメント、位置、および向きを多くのシステム パラメーターに基づいて決定する必要があります。これには、周囲温度、消費電力、エアフロー速度、気圧、乱流、製造容易性、さらには重力も含まれます。このため、フィンの設計はアプリケーションごとに異なり、個々の条件と制約に応じて最適な組み合わせを設計者が見つける必要があります。ほとんどのザイリンクス評価ボードはファン シンクを使用しています。これは、それ以外の方法ではエアフローが保証されないためです。ファン シンクにより、制御可能および効果的な方法でヒートシンクへの最小エアフローを確保できます。一般的には、消費電力の大きいシステムではケースまたはシャーシ内のファンによる強制対流を利用し、消費電力の小さいシステムでは自然対流を利用します。いずれの場合も、最大消費電力と最大周囲温度を解析し、これをフィンの有効性の最初の指標とします。ただし後述するように、個々のデザインにおけるフィンの有効性は、熱シミュレーション ツールを使用して評価および改良していく必要があります。

図 1. 要求に応じた熱ソリューションの例