SYSMON レジスタ

Versal アダプティブ SoC システム モニター アーキテクチャ マニュアル (AM006)

Document ID
AM006
Release Date
2023-12-13
Revision
1.4 日本語

前世代とは異なり、AMD Versal™ デバイスの SYSMON には、設定や電圧測定の結果の読み出し用に固定されたレジスタ マッピングはありません。異なるデバイスのさまざまなセンサーに対応するために SYSMON には、Vivado の Control/Interface/Processing IP で管理されるメモリ マップド レジスタがあります。IP は、レジスタに関連する属性と結果を特定のメモリ位置に割り当てる役割を果たします。最大 160 チャネルのメモリ マップド レジスタにより、SYSMON はさまざまなセンサー結果を格納できます。次に挙げる特定のチャネル値はすべて、CIPS ウィザードによって生成されるカンマ区切り変数ファイル (CSV) を参照することで、測定ソースのマッピングを確認できます。

SYSMON レジスタの使用を容易にするため、 統合プラットフォームには、sysmonpsv ドライバーの下にサンプルと API が用意されています。レジスタ名はこの文書に挙げますが、SYSMON のメモリ マップド レジスタの詳細は、 『Versal アダプティブ SoC レジスタ リファレンス』 (AM012) の「PMC_SYSMON_CSR モジュール」を参照してください。

チャネル レジスタ

Control/Interface/Processing IP で有効に設定された各電圧チャネルには、情報 (キャプチャした最新のサンプル、キャプチャした最大値サンプル、キャプチャした最小値サンプル) を格納する 3 つのレジスタがあります。各電圧チャネルには、IP が自動的に 0 ~ 159 までの各チャネル番号に対してマッピングを割り当てます。各チャネル番号は、SUPPLYXX、SUPPLYXX_MIN、SUPPLYXX_MAX レジスタにそれぞれ現在の変換値、最小の変換値、最大の変換値を格納します。XX は CIPS IP で定義された固定のチャネル番号を表しています。各チャネルの変換または平均化サイクルが完了すると、レジスタ NEW_DATA_FLAG0 ~ NEW_DATA4 でユーザーに通知されます。NEW_DATA0 ~ NEW_DATA4 および NEW_DATA_FLAG0 ~ NEW_DATA_FLAG4 は、新しいサンプルが利用可能であることを示します。有効な電圧チャネルがない場合、これらのレジスタは更新されません。変換値形式の詳細は、アナログ チャネル を参照してください。

温度の場合、チャネル DEVICE_TEMP、DEVICE_TEMP_MIN、および DEVICE_TEMP_MAX は変換情報を格納します。DEVICE_TEMP_MIN では、リセット (STATUS_RESET 参照) 以降の最小測定値をキャプチャし、DEVICE_TEMP_MAX ではリセット (STATUS_RESET 参照) 以降の最大測定値をキャプチャします。DEVICE_TEMP の各レジスタの他に、PS 内でブート時に使用される専用の温度センサーとして、TEMP_LPD と TEMP_FPD があります。

警告

ALARM_REG0 ~ ALARM_REG4 を使用すると電圧警告を有効にできます。これらのレジスタの各ビットは特定のチャネルを表します。先述のように、警告の下限しきい値はレジスタ SUPPLY0_TH_LOWER ~ SUPPLY159_TH_LOWER で定義され、上限しきい値は SUPPLY0_TH_UPPER ~ SUPPLY159_TH_UPPER で定義されます。ALARM_FLAG0 ~ ALARM_FLAG4 は、SYSMON 内の 160 ある電圧に基づく各警告について、電圧警告がアサートされたことを示します。

温度警告は、レジスタ OT_TEMP_TH_LOWER、OT_TEMP_TH_UPPER、DEVICE_TEMP_TH_LOWER、DEVICE_TEMP_TH_UPPER によって制御されます。温度センサーの警告モードは、ALARM_CONFIG レジスタによって設定されます。温度警告ビットは REG_ISR レジスタにあります。

コンフィギュレーション レジスタ

SYSMON は主に CIPS ウィザードで設定しますが、SYSMON のビヘイビアーを変更可能なレジスタがいくつか存在します。SYSMON_PMC モジュールの CONFIG0 レジスタは、ユーザーによる平均化レベルの更新と I2C および PMBUS インターフェイスの設定を可能にします。レジスタ EN_AVG_REG0 ~ EN_AVG_REG4 を使用して、CONFIG0 レジスタで定義された平均化レベルを使用して、チャネル単位の電圧平均化を有効化できます。

割り込みレジスタ

新しい電圧サンプルは、NEW_DATA_FLAG0 ~ NEW_DATA_FLAG4 の 5 つのレジスタで示されます。NEW_DATA_INT_SRC を使用して、最大 4 つのチャネル割り込みを割り当てられます。レジスタ ISR、IMR0、IMR1、IER0、IER1、IDR0、および IDR1 を使用することで、電圧測定結果と温度測定結果の両方に対する割り込みを有効化および制御できます。

書き込み用コンフィギュレーション レジスタのロック解除

書き込み動作を可能にするには、REG_PCSR_LOCK レジスタにコード 0xF9E8D7C6 を書き込んでコンフィギュレーション レジスタのロックを解除する必要があります。このコード以外の値をこのレジスタに書き込むと、プログラミング レジスタが再びロックされます。