IP 出力ファイルを生成中、一部のファイルは自動的に ip_user_files というディレクトリにコピーされます。これはコア コンテナー機能を使用するときに特に便利です (コア コンテナーの使用を参照)。IP サポート ファイルは ip_user_files
ディレクトリに保存されます。
このディレクトリ構造により、コア コンテナーを使用している場合に IP のインスタンシエーション テンプレートおよびシミュレーション ファイルに、バイナリ コンテナーからファイルを手動で抽出することなくアクセスできます。IP サポート ファイルは、コア コンテナーを使用しているかどうかにかかわらず、ip_user_files
ディレクトリに保存されます。
IP をカスタマイズして XCI を作成すると、IP と同じ名前のディレクトリが作成され、IP の定義と出力ファイルが保存されます。これらのファイルの詳細は、IP のファイルおよびディレクトリ構造を参照してください。
コア コンテナー機能を使用する場合、IP のすべてのファイルを含む XCIX バイナリ ファイルが作成されます (コア コンテナーの使用を参照)。
IP が RTL プロジェクトまたは Manage IP プロジェクトのどちらで作成されたかによって、ディレクトリが次のように異なります。
- RTL プロジェクト:
<directory to project>/<project name>/ip_user_files/
- Manage IP プロジェクト:
<managed_ip_project_directory>/ip_user_files/
ip_user_files
ディレクトリにはさまざまなフォルダーが含まれます。このフォルダーは、プロジェクトに何が含まれるか (IP、ブロック デザインなど) によって異なります。
次に、存在する各ディレクトリを簡単に説明します。各ディレクトリについての詳細は、この後のセクションで説明します。また、IP のファイルおよびディレクトリ構造も参照してください。
-
bd
: プロジェクトの各 IP インテグレーター ブロック デザインのサブフォルダーが含まれます。これらのサブフォルダーに、使用される IP のサポート ファイルが含まれます。 -
ip
: プロジェクトまたは Manage IP プロジェクトで作成された各 IP のカスタマイズ ファイル (XCI/XCIX) が含まれます。 -
ipstatic
: プロジェクトのすべての IP/BD に共通する IP スタティック ファイルが含まれます。 -
mem_init_files
: IP でデータ ファイルが配布される場合に含まれるディレクトリです。 -
sim_script
: デフォルトでは、各 IP および各ブロック デザインに対して、選択した OS でサポートされるすべてのシミュレータ用のスクリプトが作成されます。
コア コンテナー機能を使用するかどうかにかかわらず、これらのファイルおよびディレクトリが作成されます。ファイルは、XCIX バイナリ内または IP ディレクトリ内にも存在します。
IP/BD ファイルを手動で ip_user_files
ディレクトリにエクスポートするには、[Tcl Console] ウィンドウで export_ip_user_files
コマンドを使用します。IP または BD をリセットおよび生成すると、このコマンドが自動的に実行されます。
bd
ディレクトリの内容
bd
ディレクトリは、プロジェクトに IP インテグレーター ブロック デザインが含まれる場合に存在します。各 BD に対してサブフォルダーが作成され、使用される IP のサポート ファイルが含まれます。
次の 3 つのディレクトリがあります。
-
hdl
: ブロック デザインのシミュレーション最上位ファイルが含まれます。 -
ip
: BD の各 IP に対してシミュレーション ファイルを含むディレクトリが含まれます。 -
ipshared
: BD に含まれる IP 間で共通のシミュレーション ファイルが含まれます。
BD の生成時にアウト オブ コンテキスト (OOC) を選択した場合は、bd
ディレクトリのブロック デザインのサブフォルダーにスタブ ファイルが含まれます。
ip
ディレクトリの内容
ip
ディレクトリには、プロジェクトに含まれる IP のサポート ファイルが含まれます。これらのファイルは、IP の名前のサブディレクトリに配置されます。次のサポート ファイルがあります。
- シミュレーション ファイル:
sim
というサブフォルダーに含まれます (コア コンテナーを使用する場合にのみ、コア コンテナーを使用している場合のシミュレーション を参照)。 - Verilog および VHDL のインスタンシエーション テンプレート (
.veo
および.vho
) - サードパーティ合成ツールで IP をブラック ボックスとして推論するために使用されるスタブ ファイル (*
_stub.v
および *_stub.vhdl
)
サポート ファイルは、IP ディレクトリにも含まれます。使いやすさ、およびコア コンテナー機能を使用する IP との一貫性のため、ユーザーが必要となる可能性のあるファイルが ip_user_files
ディレクトリにもコピーされます。
ipstatic
ディレクトリの内容
シミュレーションに使用される IP 共有ファイルには、カスタマイズによって変化しないものが多数あります。ipstatic
ディレクトリには、プロジェクトに含まれるすべての IP と BD 用のファイルが含まれます。シミュレーション用に作成されたスクリプトは、必要に応じてこのディレクトリのファイルを参照します。IP のダイナミック シミュレーション ファイルは、IP カスタマイズ ディレクトリに含まれます。コア コンテナー機能を使用する場合は、ダイナミック シミュレーション ファイルは ip ディレクトリにあります。コア コンテナー用 IP ユーザー ファイル (ip_user_files)を参照してください。
mem_init_files
ディレクトリの内容
IP の中にはデータ ファイルが提供されるものもあります。これらのファイルには、DATA
プロパティが設定されています。これらのファイルは、mem_init_files
ディレクトリに保存されます。ここに含まれるファイルはデータとしてタグが付けられており、メモリ初期化ファイル (MIF) やテキスト ファイル (TXT) などが含まれます。
sim_scripts
ディレクトリの内容
各 IP および BD シミュレーション用にスクリプトが作成されます。デフォルトでは、IP を生成した OS でサポートされるすべてのシミュレータ用にスクリプトが生成されます。
Microsoft Windows では、次のシミュレータがサポートされます。
- Vivado シミュレータ
- Mentor Graphics 社 ModelSim Simulator
- Mentor Graphics 社 Questa Advanced Simulator
- Riviera-PRO Simulator
- Active-HDL Simulator (Windows のみ)
Linux では、上記に加えて次のシミュレータもサポートされます。
- Synopsys 社 Verilog Compiler Simulator (VCS)
- Cadence 社 Incisive Enterprise Simulator (IES)
スクリプト生成の制御については、IP 設定を参照してください。生成されたスクリプトは、IP カスタマイズ ディレクトリのシミュレーション ファイルを参照します。コア コンテナー機能を使用する IP では、スクリプトはコア コンテナー用 IP ユーザー ファイル (ip_user_files)ディレクトリのシミュレーション ファイルを参照します。ブロック デザインの IP では、スクリプトはコア コンテナー用 IP ユーザー ファイル (ip_user_files)のシミュレーション ファイルを参照します。
サポート ファイルをエクスポートする Tcl コマンド
コア コンテナーを使用しているかどうかにかかわらず、サポート ファイルは IP の生成中に自動的に指定した場所に保存されます。サポート ファイルをエクスポートする Tcl コマンドを参照してください。