Clock Pessimism Removal (CPR) - Clock Pessimism Removal (CPR) - 2025.2 日本語 - UG906

Vivado Design Suite ユーザー ガイド: デザイン解析およびクロージャ テクニック (UG906)

Document ID
UG906
Release Date
2025-12-10
Version
2025.2 日本語

一般的なタイミング パス レポートには、ルートからシーケンシャル セルのクロック ピンまでの、ソースおよびデスティネーション クロック パスの遅延の詳細が示されます。次の図に示すように、ツールは共通の回路部分であっても、異なる遅延を持つソース クロックとデスティネーション クロックを個別に解析します。

図 1. クロック ツリーの共通部分

共有部分のこの遅延差により、スキュー算出における見積もりがさらに悪くなります。非現実的なスラックを回避するため、ツールは Clock Pessimism Removal: CPR と呼ばれる遅延を使用して、この不必要に悪い見積もり部分を補正します。

CPR = 共通クロック回路 (最大遅延 − 最小遅延)

タイミング エンジンは、解析の種類に応じて、スキューに対して CPR を加算または減算します。

最大遅延解析 (セットアップ/リカバリ)
CPR はデスティネーション クロック パス遅延に足されます。
最小遅延解析 (ホールド/リムーバル)
CPR はデスティネーション クロック パス遅延から引かれます。

Vivado Design Suite タイミング レポートには、各タイミング パスのクロック スキューが含まれます。次の例 (ホールド解析の結果) では、レポートに次の情報が示されています。

  • Destination Clock Delay (DCD)
  • Source Clock Delay (SCD)
  • Common Pessimism Removal (CPR)
Clock Path Skew: 0.301ns (DCD - SCD - CPR)
Destination Clock Delay (DCD): 2.581ns
Source Clock Delay (SCD): 2.133ns
Clock Pessimism Removal (CPR): 0.147ns

多くの場合、CPR の精度は配線の前後で変わります。たとえば、ソース クロックとデスティネーション クロックが同一で、単一のバッファーによって駆動されているタイミング パスを考えます。

  • 配線前では、ツールはクロック バッファーの出力ピンを共通ポイントとして扱います。この場合、CPR はクロック ルートからバッファー出力までの区間における不必要に悪い見積もり部分のみを補正します。
  • 配線後では、ツールはデバイス アーキテクチャ内でソースおよびデスティネーションのクロック パスが最後に共有する配線リソースを共通ポイントとして特定します。この共通ポイントはネットリストには存在しないため、タイミング レポートに含まれるクロック遅延を単純に差し引いても、CPR を直接算出することはできません。そのため、タイミング エンジンは、ユーザーから直接参照できないデバイス情報に基づいて CPR 値を計算します。